当たり前のようにある「歯」。失って初めて歯の大切さに気づいたという方はたくさんいらっしゃいます。
そうならないためにも、日頃のケアや定期検診が非常に大切なのは皆さんもご存知だと思います。
そこで、ワンランクアップして、健康な歯を作るための食生活にも目を向けてみませんか?
今回は、歯にいい食べ物や虫歯になりにく食べ方をご説明します。
目次
歯の役割とは
咀嚼して食べ物を引きちぎったり、噛み砕き栄養の吸収を助け胃腸の負担を軽減したり、唇や舌の動きを助け美しい発音をサポートするのも歯の役目です。美しい歯並びや、正しい咬み合わせで顎の骨の成長が促され表情を豊かにもしてくれます。
他にもさまざまな役割のある「歯」。しかし、歯が弱かったり、虫歯や歯周病で失ってしまうとさまざまな悪影響を全身に及ぼしてしまいます。
日頃の食生活を見直し、健康で強い歯を作り一生を自分の歯で過ごせるよう食生活にも気を配りましょう。
歯にいい食べ物とは
健康で強い「歯」を作るために必要な栄養素は主に「カルシウム」、「タンパク質」、「ビタミンA・C・D」です。
(1)カルシウムを含む食べ物
パルメザンチーズ、プロセスチーズ、カマンベールチーズ、無糖ヨーグルト、高野豆腐、牛乳、小魚など。
カルシウムは、吸収の効率が悪い栄養素でもあります。効率よく摂取するためにおすすめなのは牛乳です。牛乳は、カルシウムが豊富なだけでなく、乳頭やアミノ酸がカルシウムの吸収を高めてくれます。
(2)タンパク質を含む食べ物
牛肉、豚肉、鶏肉など、アジ、大豆、あさりなど。
歯の土台を作ってくれるのはタンパク質です。タンパク質があるからこそ、カルシウムが付着し丈夫な歯を作ることができます。
(3)ビタミンA・Cを含む食べ物
かぼちゃ、ケール、モロヘイヤ、にんじん、小松菜、じゃがいも、パプリカ、ブロッコリー、レバー、うなぎなど。
ビタミンA・Cは、歯のエナメル質や象牙質の元となる成分です。ビタミンCは、熱で栄養が壊れやすい性質を持っています。できるだけ生で食べるようにしましょう。キウイフルーツ、いちご、ネーブルなどもおすすめです。
(4)ビタミンDを含む食べ物
鮭、マグロ、鯖、きのこ類、卵黄など。
カルシウムを吸収しやすくしてくれるのがビタミンDです。歯の石灰化をサポートしてくれ、健康で強い歯を作るには必要な栄養素です。
虫歯になりにくい食べ方とは
100%虫歯にならない食べ方はありませんが、虫歯になりにくい食べ方があるのでご説明します。
(1)バランスよく規則正しい食事
不規則な時間帯の食事、食事の回数が多いと唾液量に影響します。抗菌作用を持つ物質を含んでいる唾液は、食べ物がお口の中にない状態のとき、口腔内の細菌のコントロールをしてくれます。
食事の時間帯が不規則だったり、食事の回数が多いと唾液の役割が正常に働かずお口の中を清潔に保つことが難しくなります。
(2)だらだら食べない
スマートフォンを見ながら、テレビを観ながらなど、ながら食べをしてだらだらと食事の時間が長くなると、お口の中に食べ物が残っている状態が続いてしまい、こちらも唾液に悪影響を与えてしまうので注意が必要です。
また、歯だけでなくだらだら食べることで、食べ過ぎにも繋がってしまいます。ながら食べ、だらだら食べを防ぐには、食べることに集中し食べ終わったらすぐに片付けるのがポイントです。
(3)よく噛んで食べる
食べ物をしっかり噛んで食べると、顎や歯が丈夫になるとともに、唾液の分泌量がふえ消化を助けます。さらに、満腹中枢をコントロールし肥満防止にも繋がります。
理想は、ひと口30回の咀嚼です。いきなり始めるのは難しいと思いますが、意識してしっかり噛むところから始めましょう。ポイントは、ひと口食べるごとにお箸を置くことです。
「噛む!カム!レシピ」でよく噛んで食べられるレシピが公開されているので参考にしてください。
虫歯になりにくいおやつの食べ方
(1)決まった時間におやつを食べる
おやつは決まった時間に食べるようにしましょう。必ずおやつの分量を決めて食べてください。
だらだら甘いものを食べ続けるのはNGです。
(2)飲み物と一緒に
おやつの食べカスがお口の中に残らないよう、水、お茶などを一緒に飲むようにしてください。食べ終わったら軽くお口をゆすぐのもポイントです。
(3)糖分の少ないもの
できるだけ糖分の少ないものを選ぶようにしましょう。
(4)いつまでも口の中に残らないもの
糖分が多くてもアイスクリーム、プリン、ゼリーなどは水分量も多くすぐに食べ終わり、お口の中に残らず歯にも付着しにくい特徴があります。
水分の少ない、ビスケットやクッキーなどは噛むことがポイントです。しっかり噛むことで唾液量が増え、お口の中を清潔に保てます。
食生活を見直そう!
いかがですか。歯にいい食べ物は特別なものではありません。
いつも皆さんが食べているものが多く含まれていると思います。
日頃の食事のメニューにちょっとした工夫を凝らすだで
虫歯になりにくい健やかな口内環境を作ることができます。
健康で強い歯は人生を豊かにしてくれます。
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梅ヶ丘一丁目歯科 院長 堀籠眞一(ほりごめ まさかず)
経歴
松本歯科大学を卒業
医療法人社団 歯友会「赤羽歯科」
医療法人社団 友伸会「仙川町歯科クリニック」
両院併せて30年以上、歯科診療に携わる。大手の歯科医院勤めにより先進技術・先進医療を取得。
学会にて常に新しい治療方法を学んでいる
モットーは『自分の歯で一生を過ごす為の治療』慣れ親しんだ梅ヶ丘という地で開業し、皆様に愛される地域に根付いた歯科医院を目指しております。