梅ヶ丘1丁目歯科 堀籠(ホリゴメ)です。
「歯周病」という言葉を聞いたことはあるが、どんな病気なのか詳しく知らない人は多いと思います、
虫歯と並んで2大疾患ともいわてれおり、放置しておくと歯を失うだけでなく命の危険もあるほどです。
今回は、今や国民病とも呼ばれる「歯周病」についてお話しします。
目次
歯周病とは
歯周病とは、歯と歯茎の周辺や溝(歯周ポケット)に、歯垢(プラーク)内の細菌が侵入、増殖により炎症を起こす病気のことです。
この炎症は歯茎やその周辺だけに留まらず、歯を支えている歯槽骨にまでに及び、骨を溶かし、最悪の場合、歯を失ってしまいます。
歯周病は、自覚症状がなく進行していく病気で別名「サイレントディジーズ(静かなる病気)」とも呼ばれています。では、進行度を三段階でご説明します。
歯周病:軽度
軽度の場合は、歯茎がピンク〜赤く腫れ、歯磨きの際に出血を伴う場合があります。痛みもあまりないので気付かない方がほとんどです。
歯周病:中度
中度の場合は、腫れや炎症が悪化し、歯周ポケットもより深くなります。歯肉退縮(歯茎下がり)になっている場合は、歯槽骨や歯根膜など歯周組織の破壊が始まったと考えられます。
歯周病:重度
重度の場合は、歯周ポケットがかなり深くなり、歯の根まで細菌が侵入し歯石などの汚れが付着しています。歯がぐらつき食事もままならない場合があります。また、歯茎から出血や膿がでて強い口臭も発生し、最悪の場合、歯周外科治療(手術)を要するケースもあります。
歯周病は国民病⁉︎
厚生労働省の平成28年歯科疾患実態調査によると、30代から60代にかけての歯周病の有病率が高く、30代以上では、3人に2人が歯周病との結果が出ています。
他にも、20代で約7割、30〜50代では約8割、60代以上では約9割の方が歯周病にかかっているとのデータも上がっています。(※1)
歯を失う原因の1位も歯周病と言われています。歯周病の原因は、歯垢(プラーク)内の細菌だけでなく、喫煙、ストレス、不規則な生活などの生活習慣や、老化や遺伝子などに加え、糖尿病や肥満、骨粗しょう症なども要因の一つに考えられています。(※2)
「国民病」とまで呼ばれるようになった歯周病は、歯や歯茎などのお口トラブルだけでなく、全身にも影響を及ぼします。
歯周病は全身に影響する!
アレルギー疾患と歯周病
自己免疫疾患や金属アレルギーと歯周病の間には、相互作用があります。
心臓病と歯周病
歯周病菌が血管から心臓に移動し、炎症部分が動脈硬化を起こし、狭心症や心筋梗塞を引き起こす可能性もあります。
糖尿病と歯周病
糖尿病を患う方は歯周病になりやすいことがわかっています。歯周病になると血糖コントロールが悪くなるともいわれています。
妊娠と歯周病
妊娠中は、妊娠初期はホルモンや、つわりなどの影響でお口の中を衛生的に保ちにくくなる場合があります。そうなると、歯周病や虫歯といったトラブルを招きやすくなるので注意が必要です。
誤嚥性肺炎と歯周病
誤嚥性肺炎を起こす細菌の多くは、嫌気性菌(酸素のないところで発育する菌)ということが分かっています。
歯周病原細菌は、酸素の少ない歯肉の中で増える嫌気性菌です。肺の中に歯周病菌が入り込むことで、肺炎を引き起こすことがあります。
歯周病セルフチェック
気づきにく歯周病ですが、セルフチェックでご自分のお口の中を観察しましょう。
(1)歯ぐきに赤くはれた部分がある。
(2)口臭がなんとなく気になる。
(3)歯ぐきがやせてきたみたい。
(4)歯と歯の間にものがつまりやすい。
(5)歯をみがいたあと、歯ブラシに血がついたり、すすいだ水に血が混じることがある。
(6)歯と歯の間の歯ぐきが、鋭角的な三角形ではなく、オムスビ形になっている部分がある。
(7)ときどき、歯が浮いたような感じがする。
(8)指でさわってみて、すこしグラつく歯がある。
(9)歯ぐきからウミが出たことがある。
出典:公益財団法人8020推進財団
1~9項目の中で1〜2個当てはまるものがあれば、歯周病の可能性があるとのことです。
3~5個なら初期あるいは、中期歯周炎以上に歯周病が進行している恐れがあるので、歯医者で検診してもらいましょう。
早期発見・早期治療をするためには!
歯周病の怖いところは、いつの間にか罹患し、知らず知らずのうちに進行するということです。
気がついた時には、痛みを伴い歯茎からの出血や膿がでたり、身体に影響を及ぼしてしまいます。
そうなると治療も長期間に及び、経済的にも負担がかかります。
歯周病は、早期発見、早期治療をし予防することが何より大切です。
そのためにも、2〜3ヶ月に一度、梅ヶ丘にある歯科で定期検診をしてはいかがでしょうか。
食べ物が歯に挟まりやすい、歯茎の腫れが気になる、朝起きたとき口の中が不快など
些細なことでも構わないので、気になることがある方はいつでも気軽にご相談ください。
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(※1)平成28年歯科疾患実態調査
出典(※1,2):公益財団法人8020推進財団
画像:ronstik/shutterstock
画像:akayuki/shutterstock
梅ヶ丘一丁目歯科 院長 堀籠眞一(ほりごめ まさかず)
経歴
松本歯科大学を卒業
医療法人社団 歯友会「赤羽歯科」
医療法人社団 友伸会「仙川町歯科クリニック」
両院併せて30年以上、歯科診療に携わる。大手の歯科医院勤めにより先進技術・先進医療を取得。
学会にて常に新しい治療方法を学んでいる
モットーは『自分の歯で一生を過ごす為の治療』慣れ親しんだ梅ヶ丘という地で開業し、皆様に愛される地域に根付いた歯科医院を目指しております。