「歯周病と糖尿病」まったく関係ないようにみえますが
糖尿病を患う方は歯周病になりやすく進行しやすいことが判明しています。
今回は、糖尿病の方が歯周病になったときの症状や改善方法など詳しくご紹介します。
目次
糖尿病と歯周病の関係
糖尿病は恐ろしい病気です。さらに、腎臓が機能しなくなり透析が必要になったり、血糖値の高い状態が続くと失明の原因になったり、神経細胞に血液が届かなくなり全身の神経に障害が怒るなど、深刻な合併症も引き起こしてしまいます。あまり知られていないのですが、歯周病も糖尿病の合併症の一つになります。
糖尿病になるとお口の中が乾燥しやすく、唾液の分泌量も低下し口の中は細菌が増殖しやすい環境になってしまいます。さらに、免疫力も低下しているので高血糖の状態が続くと、白血球の機能が低下するために炎症が進み、歯周病になりやすく進行を促進してしまうのです。
血糖コントロールがうまういかない!
歯周病のような盛んに内毒素を産生する菌に多量に感染し、毒素が容易に体内に侵入する環境下では、体が毒素を排除する際に、本来、ふくよかな方の内臓脂肪で産生されインスリンの作用を障害する物質と同じ悪玉物質を作ってしまいます。
それが同じようにインスリンの働きを障害してしまうため、血糖が下がりづらい状態になっていることがわかってきました。インスリンの作用不足が生じるため、血糖の管理が困難になります。(※1)
歯周病の影響を最も受けやすい体格とは
体格指数(体重[kg]÷身長[m]2)が25 kg/m2前後のややぽっちゃりした重度歯周病を合併した2型糖尿病であることがわかっています。(※2)
この体格指数に当てはまる糖尿病患者の方は、できるだけ早く歯医者を受診しチェックすることをおすすめします。
もちろん、当てはまらない糖尿病患者の方も、糖尿病そのものが悪化し歯周病が進行してしまう場合があります。異変や違和感を感じたら歯医者を受診する、歯周病治療を徹底する、数ヶ月に一度、歯科受診を受けることが大切です。
歯周病の進行を防ぐ予防法
成人の役8割が罹患していると言われる歯周病。初期では痛みなどの症状もなく気がつかない方がほとんどです。歯を失う最大の原因は歯周病と言われています。しかし、気がつかないまま放置しておくとどんどん悪化してしまいます。
毎日の歯磨きに定期的な検診で予防!
歯周病の進行を防ぐ予防法は、日頃の歯磨きがとても重要です。毎日の歯磨きを丁寧に行い歯垢(プラーク)を除去しましょう。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助器具も使用してください。奥歯、前歯の裏など磨きにくい場所に歯垢(プラーク)や食べカスが残りやすいので注意が必要です。
また、定期的な歯石除去も重要になってきます。歯石は歯磨きで除去することはできません。定期的に歯医者へ通い歯のクリーニングをしてもらいましょう。
歯周病かも?と感じたらすぐに歯科医院へ受診することが大切です。
糖尿病であれば歯周病の進行も早く、気がついた時には重症化していることも珍しくありません。まずは、歯周病になっていないかチェックしてもらい、歯周病であれば徹底的に治療をしましょう。
驚くことに治療をすると血糖コントロールが改善するということが分かっています。
歯周病セルフチェック
痛みもなく進行する歯周病、どうやって判断していいのかわかりにくいと思います。歯周病セルフチェックで確認してみましょう。
- 歯肉の色が赤い、もしくはどす黒い。
- 歯と歯のあいだの歯肉が丸く、腫れぼったい。
- 歯肉が、疲労時やストレスがかかっているときに腫れやすい。
- 歯肉が退縮して、歯と歯のあいだにすき間ができてきた。
- 歯が長く伸びてきた。
- 歯の表面を舌でさわるとザラザラする。
- 歯みがき時などに歯肉から出血しやすい。
- 起床時に口が苦く、ネバネバして気持ち悪い。
- 歯肉を押すと白い膿がにじみ出てくる。
- 歯の動揺がある。
- 歯と歯のあいだに食べ物が挟まりやすい。
- 上顎の前歯が出てきた。
- 人から口臭があると言われる。
出典:LION
こちらの項目に1つでも当てはまると歯周病の疑いがあります。不安な方、歯周病かも?と感じた方は歯科医に相談してみましょう。
かかりつけ歯科医院が大切な理由
大切な歯を失わないためにも、かかりつけの歯医者をみつけることが大切です。ご自分の歯のことをよく知っている歯医者であればトラブルにもすぐ対応でき、予防的なケアや専門的なアドバイスを受けることができます。
歯周病と糖尿病の管理だけでなく、生活習慣病や認知症などの予防にも役立ち、かかりつけ医を持つとことで生活の質を落とすこともありません。将来的なお口の健康のためにも検討してみてください。
歯周病治療をして血糖管理の改善を!
いかがでしたか?糖尿病になると歯周病になりやすく、インスリンの働きを抑えられるため、歯周病が悪化しやすい状態になります。しかし、歯周病治療を行うことで、血糖コントロールが改善されます。
歯周病は日々の生活習慣によって発症します。歯磨きを丁寧に行い歯垢(プラーク)を除去することから始めましょう。
ただ、歯磨きだけでは歯垢(プラーク)や食べカスを完全に除去することは不可能です。数ヶ月に一度歯医者へいき歯のクリーニング、歯科検診を受けることが重要になってきます。
歯周病治療なら梅ヶ丘一丁目歯科へ
歯周病は糖尿病の合併症の一つです。梅ヶ丘一丁目歯科なら正しい歯磨きの仕方、歯周病治療、歯科検診など、すべてをカバーできます。生涯、ご自分の歯で過ごすためにも、歯周病に罹患している糖尿病の方は治療を行い、一緒に血糖コントロールの改善を目指しましょう。
【おすすめ記事】「歯石」と「歯垢」の違いは?除去の頻度やメリットデメリットとは
【参考】
※1. 2:テーマパーク8020
出典:LION – 歯周病チェックシート
画像:Nadin Panina/shutterstock
画像:leungchopan/shutterstock
画像: ittipon/shutterstock
梅ヶ丘一丁目歯科 院長 堀籠眞一(ほりごめ まさかず)
経歴
松本歯科大学を卒業
医療法人社団 歯友会「赤羽歯科」
医療法人社団 友伸会「仙川町歯科クリニック」
両院併せて30年以上、歯科診療に携わる。大手の歯科医院勤めにより先進技術・先進医療を取得。
学会にて常に新しい治療方法を学んでいる
モットーは『自分の歯で一生を過ごす為の治療』慣れ親しんだ梅ヶ丘という地で開業し、皆様に愛される地域に根付いた歯科医院を目指しております。