梅ヶ丘1丁目歯科 堀籠(ホリゴメ)です。
猛暑が続く暑い夏、気をつけたいのが『熱中症』です。
子どもはコロナ禍でマスクをしていても暑くても元気いっぱい!
暑さも気にせず走り回っている姿を見かけます。
そこで気をつけたいのが熱中症予防の『水分補給』です。
スポーツドリンクを飲む機会が増えたと思うのですが、意外な落とし穴があるのをご存知ですか?
目次
熱中症対策には塩分と糖分を含んだものを!
日本スポーツ協会では、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100ml )と糖質を含んだ飲料を推奨しています。
特に1時間以上運動をする時は4~8%の糖質を含んだものを摂取しましょう。冷えたイオン飲料や経口補水液の利用が手軽ですが、自分で調製するには1リットルの水、ティースプーン半分の食塩(2g)と角砂糖を好みに応じて数個溶かしてつくることもできます。(※1)
なぜ水じゃダメなの?
大量に汗をかくと汗とともに身体の中にあるナトリウムも失われます。ナトリウムが失われた状態で水だけの水分補給をすると、血液のナトリウム濃度が薄まってしまいます。
そうなるとナトリウム濃度を下げないために暑くても水を欲する気持ちがなくなってしまうから不思議です。同時に余分な水分を尿として排泄します。
これが『自発的脱水症』です。この状態になると汗をかく前の体液の量を回復できなくなり、運動能力が低下し、体温が上昇して、熱中症の原因となります。
スポーツドリンクには、ナトリウムやカリウムなどミネラル分も含まれているため、失われた電解質を補うような成分が配合されています。
他にも、疲労回復を促すクエン酸や効率的なエネルギー源となるブドウ糖なども含まれているもがあり、このような理由から熱中症対策の水分補給は、水よりも塩分や栄養分を含むスポーツドリンクのほうが良いといわれています。
しかし、スポーツドリンクの飲み過ぎには注意が必要です。
スポーツドリンクは虫歯の原因になる
スポーツドリンク500mlには3gスティック・シュガー10本分程度、炭酸ジュースでは、500mlでスティック・シュガー20本分もの糖分が含まれているものもあります。
虫歯菌は糖分を好みます。糖分を摂取し酸を作りだし歯を溶かしてしまうのです。スポーツドリンクには多くの砂糖が含まれているので、虫歯菌の大好物! ここぞとばかりに虫歯菌が活発に動いてしまうのです。
また、歯周病の原因にもなるのでスポーツドリンクの飲み過ぎには注意が必要です。
スポーツドリンクを飲んだ時の対策法
熱中症対策にはスポーツドリンクが良いけれど飲み過ぎると虫歯や歯周病のリスクが上がってしまう。
どう対策したらいいのか分からない方も多いでしょう。そこで、乳幼児と学童に対する対策法をご説明します。
乳幼児の対策法
- 過激な運動や極端に汗をかいたとき以外は,普通の水を与える
- イオン飲料を水の代わりに与えない。
- 下痢や嘔吐で脱水症状がある場合は、経口補水液を飲ませる。症状改善後は、のどが渇いたときは普通の水を飲ませるようにする。
- 寝る前や寝ながらイオン飲料を与えないようにする。夜中にのどが渇いたときには水を与える。
- 入浴後は水を飲ませる。
- 寝る前に歯を磨く。やむを得ず,寝る前や寝ながら与えるときは水を飲ませる。あるいは,与えた後に綿棒や指先にガーゼを巻き口腔内を清拭する。
学童の対策法
- 運動で汗をかくときは経口補水液を飲み,運動が終わったら,普通の水を飲む。
- イオン飲料のペットボトルを持ち歩きいつも飲む習慣や,食事をしながらイオン飲料を飲む習慣を付けないようにする。
- のどが渇いたときは水を飲む。(※2)
お口の中は基本的に中性を保っています。食事の後などは酸性になるのですが、唾液がお口の中を浄化し中性に戻してくれます。
スポーツドリンクには体力回復のためクエン酸やアミノ酸などが含まれているものがあります。これはお口の中を強い酸性にしてしまい、唾液がお口の中を中和する働きが普段の食事後よりも時間がかかってしうのです。
スポーツドリンクを飲む習慣がついてしまうとお口の中がいつも酸性の状態を保つことになってしまいます。そうなると虫歯菌の動きもより活発になってしまいかねません。
特に野球やサッカーなどスポーツをしている子どもは注意が必要です。
【まとめ】スポーツドリンクの飲み過ぎには注意!
乳歯の多い子どもの歯は、歯質も弱く虫歯になりやすい状態です。そこに糖分をたくさん含んだスポーツドリンクをいつも飲んでしまうと虫歯リスクが格段に上がってしまいます。
子どもに飲みすぎないよう言うのではなく、親御さんがしっかり管理することが大切です。必要以上に飲ませることは控え、子ども達の歯を守ってあげましょう。
歯科検診は梅ヶ丘一丁目歯科
夏の熱中症対策にスポーツドリンクは欠かせません。しかし、飲みすぎてしまうと虫歯になってしまいます。子どもの歯は、虫歯になり歯が溶け始めると比較的早く進行してしまいます。
スポーツドリンクを飲んでも健康な歯を維持したい! そのためにも梅ヶ丘一丁目歯科で定期検診を受けることをおすすめします。
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※1:大塚製薬-効率的な水分補給
※2:日本小児歯科学会-イオン飲料と虫歯
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梅ヶ丘一丁目歯科 院長 堀籠眞一(ほりごめ まさかず)
経歴
松本歯科大学を卒業
医療法人社団 歯友会「赤羽歯科」
医療法人社団 友伸会「仙川町歯科クリニック」
両院併せて30年以上、歯科診療に携わる。大手の歯科医院勤めにより先進技術・先進医療を取得。
学会にて常に新しい治療方法を学んでいる
モットーは『自分の歯で一生を過ごす為の治療』慣れ親しんだ梅ヶ丘という地で開業し、皆様に愛される地域に根付いた歯科医院を目指しております。